■中国:中国におけるキリスト教急成長のパラドックス

キリスト教が中国国内で急成長したことにより、政府が宗教に対する考え方の見直しを余儀なくされている、と「エコノミスト」誌が伝えている。

中国のクリスチャンは長い間迫害を受けてきたが、1976年の毛沢東主席の死後は、中国共産党は少しずつ宗教の自由を認めるようになってきた。中国には57,000ものいわゆる「三自愛国教会-自養、自治、自伝」が存在する。彼らは中国政府に対して忠誠を誓い、組織として政府に登録されている。

けれども、多くのクリスチャンは非公認の家の教会で集まっていて、政府は長い間彼らを抑圧してきた。中国でキリスト教を統制するのは非常に困難なことである。中国のキリスト教は急速に成長していて、政府のあらゆる層にまで浸透している。家の教会と公認教会の境界線は曖昧になりつつあり、クリスチャンたちは隠れていたところから出てきて、社会の中でより積極的な役割を担うようになってきた。

中国共産党は、これらのすべての新しい状況に対して、新しい方法で対処していかなければならない。明確に無神論を提唱している世界最大の組織であるこの党も、党員たちがマルクス思想以外のドグマを信奉することを許すようになるかもしれない、という噂まである。

「今日のクリスチャン人口は、共産党員数、8700万人を上回る」

中国の宗教人口は、全人口の90%を占める漢族の間で特に急激な増加を見せている。キリスト教会や仏教寺院があちこちで新たに建てられている。共産党政権になった1949年にはカトリック信者は300万人、プロテスタント信者は100万人しかいなかったが、今日のクリスチャンの数は、共産党員数、8,700万人を上回る。そのほとんどが福音派プロテスタントである。