■パウロの使徒宣言… コリント人への第1の手紙15章9、10節より
・弟子増殖の経緯
キリストの復活を宣べ伝える人々の数は、足し算ではなく掛け算で増えました。そのことを、デイビッド・リム(David Lim)は、弟子の数を調べることで推測しました。
最初の弟子は12名でした。この数は、コリント人への第1の手紙15章5節にも出てきます。その次の6節には、復活の主イエスさまが、500人以上の兄弟たちに同時に現れたと記されています。
リムは、12から500に増える前の中間の段階を想定しています。その説は、ルカの福音書10章1節の「その後、主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。」という記事に依拠しています。
同じルカの福音書第9章では、イエスさまが12人を召喚し、権能委譲した上で派遣されたことが取り上げられていますが、この12人の「第1次派遣」時と同様の指示が、次の章である10章にある72人の「第2次派遣」にも繰り返されています。それは「持ち物不携帯」と「一町村一家族のみへの滞在」という指示でした。
ここで示唆されるていることは、イエスさまが育てられた12人は、最初は自分たちが派遣されたが、次の段階には、自分たちがイエスさまと一緒に、より多くの人たちを派遣する側に立ったということです。また、これらの72人は12人によって育てられた人たちだと考えられます。