■キリスト直結(5)生命をもたらすオオカミ

米国にあるイエローストーン国立公園では、鹿が増え過ぎて植物を食い荒らしたため、森林が荒れ、川の水量も減って、森の中の動植物が激減しました。鹿の個体数を制御しようとした試みはうまくいきませんでした。

70年前まで食物連鎖の頂点にいたオオカミが、人間の手によって絶滅に追いやられたことが森林破壊の遠因だと考えられました。それで、この問題の切り札として、他の地域からオオカミを連れてきました。それが95年のことです。すると、その直後から、動植物の間に劇的な変化が起こりました。

オオカミが鹿をたくさん殺したというわけではありません。鹿はオオカミに追い詰められやすい場所を避けるようになりました。鹿が移動したことにより緑が復活しました。たった6年で木々は5倍以上の大きさに育ちました。すると、鳥の数が増え、渡り鳥も訪れるようになりました。

木々が増えたことによってビーバーも増加しました。ビーバーは森の生態系に大きく寄与する動物で、森の再生に拍車をかけました。ビーバーが作るダムは、魚類や両生類、そして鳥たちの住む場所になったのです。

さらに、オオカミがコヨーテを捕食したため、ウサギやネズミなどの小動物が増えました。それに伴い、タカやキツネ、イタチなどの小型の肉食獣の数も増加しました。木の実が豊富になったことでクマも増えました。

鹿が減少し、また生息地域が移動したことによって森林が復活し、川岸が強固になり、川の流れの形さえ変わりました。これはイエローストーン国立公園内にとどまらず、広くその地域一帯に起きた劇的な変化でした。殺し屋と思われ、人間に絶滅させられたオオカミの真の姿は、「命を与えるもの」だった、というお話です<http://spotlight-media.jp/article/193275390987195519><https://www.youtube.com/watch?v=ysa5OBhXz-Q>。

私はこの動画を見て、オオカミは「キリスト直結」のようだと思いました。「キリスト直結」という真理は、歴史の中で、オオカミ同様に危険なものとして避けられ、それを唱える人は弾圧されてきましたが、この真理を回復することによって、好循環が生まれ、イエローストーン公園に命が吹き込まれたように、教会もまた生命に溢れるものになるのではないかと思うのです。