■義と平和と聖霊による喜び

紹介文
神の国は、義と平和と聖霊における喜びです。すなわち、「天」との関係を回復された「義=ディカイオスネー」なる者たちが、「外」の世界に向かって「平和=エイレーネー」を宣言し、「内」側にキリストが形造られて「聖霊による喜び=カラ」に満たされる者へと変えられていくという営みです。


「神の国は飲み食いのことではなく、義と平和と聖霊による喜びだからです」(ローマ14:17)という新約聖書の言葉について考えてみましょう。

・「ディカイオスネー」

まず、「義(ディカイオスネー)」は、神との正しい関係を表わす概念です。ルカの福音書18章9-14節で、イエスさまは、宮で祈る2人の人を例に挙げて教えられました。

一人は自分を義人だと自任して他人を見下げているパリサイ人でした。彼は週2回断食し、全収入の十分の一をささげていました。もう一人は取税人で宮の隅で自分の胸をたたいて言いました。「神さま。こんな罪人の私をあわれんでください」(18:13)と。

イエスさまは、パリサイ人に蔑まれていた取税人の方が、神に義と認められて帰ったとおっしゃいました。自分で自分の正しさを主張することができない罪人であることを認めた上で、神のあわれみにすがって、神から赦しと「神によって与えられる義」を受け取ることが、神の目に正しい関係の結び方だと言われたのです。