■宗教改革500年を記念して(1)

紹介文
昨年10月31日のFacebookのページでは、ルターの宗教改革500年記念を祝う投稿が数多く見られた。宗教改革者たちのスピリットは今日もなお生きていて、私たちに語りかけていると私は信じているが、現代に生きる私たちが改革者たちの貢献や業績を称えるところにとどまっているなら、そのスピリットは「違う、違う!!!!」と叫ぶのではないだろうか。

ヴォルフガング・ジムソンが20年ほど前に、「教会が生まれ変わるための15ヶ条の論題」を著した。私はジムソンの提案の中に宗教改革者たちのスピリットを感じるのだ。宗教改革500年を祝っているこの時に、「15ヶ条の論題」に光を当てることは、今日の私たちに大きな意味を持つと考えている。

今号から始めてこれから数回に分けて、この15ヶ条の論題を紹介しつつ、私が考察したことも分かちあっていく。


宗教改革500年記念のお祝いモードの記事が多い中で、興味深い記事をいくつか見つけた。その一つは、<www.christiantoday.co.jp>に掲載された、日本聖書協会総主事の渡部信先生の記事である。渡部先生は、ドイツのウィッテンベルグで行われた改革記念会議に出席され、そこで話題となった、現在の教会が直面している危機について分かちあってくださっている。

その危機とは、教会の宣教スタイルが世俗のネットワークに追いついていないこと、若い世代が教会から離れていること、キリスト教人口が下降の一途をたどっていることなどである。この会議では、今や33%にもなる韓国のキリスト教人口が、30年後には2.7%にまで下がる、という予測が共有されたそうである。それは主に、若い世代の教会離れに起因するということである。