■マイノリティーであるキリスト者について考える

紹介文
「日本ではクリスチャン人口が1%にも満たない」とキリスト者の間で耳にすることが多い。世界には日本と同様、クリスチャン人口が1%に満たない、宣教が困難であると言われている国々や民族がある。アジア地域にある国を訪問し、その国の宣教事情について学ぶ機会があった。宗教や文化背景の全く異なる国ではあるが、同じようにマイノリティーである日本のキリスト者について考えたい。


国民の総人口に対するクリスチャン人口の割合が、0.3%といわれている国を訪問した。この比率が2%以下である国民や民族は、「未伝(Unreached)」、すなわち、福音が届いていない人々とされている。この国では憲法上、宣教も含めたキリスト教の活動は認められている。しかし、実際には90%を超える国家的な宗教の存在を背景に、主に地方でキリスト教徒に対する迫害があるそうだ。キリスト信仰の故に殺害された人たちもいる。

人口は世界でも上位に入る上に、経済的には開発途上国なので、この国には貧しい国としてのイメージがついてまわる。人口が多く、クリスチャン人口の比率が低いので、外国のキリスト者たちからは、「世界一の未伝民族」と呼ばれることが多い。だからといって、現地の教会やキリスト者たちが、なにもしていないわけではない。いやむしろ、積極的にキリストを証ししている様子を、過去に訪れた際にも目にしてきた。

外国の人々が「世界一の未伝民族」などのようなレッテルを貼ると、現地の人が何もしていないかのようなイメージを与えるばかりか、現地の人々を見下す態度にもつながる可能性があるので、気をつけなければならないと思う。

しばらく前の話になるが、米国の神学校で行われたセミナーに出席したことがあった。参加者は、牧師の研修を行なっている人や、教会開拓者を訓練して世界に送り出す責任を担っている人など、指導的立場にある方々ばかりだった。