■私の夢、神の夢

紹介文
ヨセフ物語から「夢」について、少なくとも3つのことを学ぶことができます。第1に、夢が人生を支えることがあるという点です。繰り返しゴールに思いを向けることで、目標を目ざして一心に走りやすくなります。

第2に、夢が実現するために、「従順を学ぶ」という準備がなされることがある点です。荒野の誘惑の物語は、神がおっしゃったことと同じことしか告白しないし、父の命令なしには何も行動しないし、神との同意なしには、いかなる力も発動しないというレッスンを経ることで、人間の限界をはるかに超えた神の計画が実現していくということを教えます。

第3に、私の夢はまず神が見ておられた夢だという点です。私が、万物をコントロールしておられる方の夢の登場人物だと知ることは大きな励ましです。


「見ろ。あの夢見る者がやって来る」(創世記37:19)などと言われて、兄弟たちにからかわれたヨセフは、20年経って、自分が見た夢が正夢になるという経験をしました。このエピソードから何を学ぶことができるでしょう。

・夢が人生を支える

第1に、夢が人生を支えることがあるということです。ヨセフは夢を見たあと、その夢とは似ても似つかぬ、というより、まったく正反対の方向に進んでいると思わざるをえないような出来事に、次々と遭遇しました。詩篇105篇にそのことが描写されています。

「彼の足は足かせをもって痛められ、彼の首は鉄の首輪にはめられ、彼の言葉の成る時まで、主のみ言葉が彼を試みた。」(詩篇105:17-19)

ヨセフは、まだ少年のときに、血を分けた兄弟に殺されかけ、奴隷として売り飛ばされ、身に覚えのないことで濡れ衣を着せられ、無実の訴えが届きそうになるものの結局忘れられ、一人牢獄に取り残されてしまいました。

それでも、夢を通して語られた神のことばを、ヨセフは信じ続けました。その間、なんと20年、約束とは程遠い現実の中で苦しみましたが、一方で、神の約束が、試練に向き合ったヨセフを支えました。

ハーバードビジネススクールの有名な調査があります。卒業が決まった学生に、目標を持っているかと聞いたところ、84パーセントは持っていないと答え、13パーセントは紙には書いていないが持っていると答え、3パーセントは目標を紙に書いていると答えました。