働きの前進

2010年3月25日から26日にかけて、兵庫県三田市で、12名の有志の者たちが集まり、一泊リトリートをしました。1ヶ月前の祈り会以降、どのようなことが生活と働きの領域で起こったのかを分かちあい、互いに祈りあい、励ましあいました。また、共同で取り組んでいる「日本における大きな収穫のための準備」についても、さらなる神の導きを求めました。

1 報告

今回の分かちあいの共通点は、4つ挙げられます。

第1に、1人ひとりが以前よりも神に聞いて生活するようになったことです。「預言的に聞く」ことは、特別な人にしかできないことではありません。見えない神の存在を認めて、神と会話しながら歩むことは、すべての弟子たちが普段の生活の中で経験できることです。神は私たちに対する御心を豊かに示してくださるだけでなく、私たちが日常生活で出会う人たちに、ご自身の思いを分かち合おうとしておられます。今回参加した人たちの中には、大きな試練を通っている人もいましたが、神との個人的な関係は、試練を通して、かえって深められているようでした。

第2に、各メンバーが用いられる「場」が確実に広がってきました。その領域は、主にビジネスと教育の領域でした。新しいビジネスの機会が与えられたり、すでに取り組んでいる事業が軌道に乗ってきたことを、複数の人たちが証ししました。地域の人たちを支えるためにNPO設立の準備が進められていることを報告した方もいました。教育委員会や一般企業や学習教室やダンスサークルや「ママ友」のコミュニティの中で、聖書の価値観や福音そのものが、大胆に語られるようになってきました。神の声を聞き始めたときに、神ご自身が私たちを押し出して、世俗世界の中で影響力を持つようにされたのだと考えられます。

第3に、神の働きに携わらせていただく動機についての、共通の理解が確認されました。以前は、開拓伝道や宣教活動を成功させることが、人々に親切に接する動機だったという告白がありました。しかし、今では条件なしに、人々を愛することができるように導かれてきました。愛を表わす相手が救われるなら、その方がよいが、たとえそうでなくても、その人が「最も小さい者のひとり」(マタイ25:40)なのなら、その人に仕えることは、キリストに仕えることです。「わたしがあなたがたを愛したように、そのように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ13:34)というイエス様の戒めに従うことが、宣教の動機でありゴールでもあるのです。

第4に、父の世代と子の世代の役割について話しあいました。父の世代は、もともと中央集権的な教会の枠組みの中で、心に傷を受けている者たちが多いのですが、今や分散型ムーブメントへの橋渡しをするという新しい使命が与えられました。父たちは、自分に死ぬことによって次世代を育て、子たちを宣教の畑に解き放つという役割を担っています。一方、子の世代は、父たちを敬い、父たちから学びながらも、父たちが踏み入ることができなかった、より積極的な宣教の戦いに召し出されています。「国々を所有し、荒れ果てた町々を人の住む所とする」(イザヤ54:3)のは、子孫たちの役割です。そのためには、両世代間の和解と連携が必要です。

2 定期的な交わり

「収穫のための準備」について、今回のリトリート直後の動きも含めて、以下に報告いたします。宿泊して交流のときを持ったのは、1月初旬以来2回目でしたが、今回集まって、より長く一緒に時間を過ごしたいという飢え渇きが与えられました。それで、いつもリトリートの会場を提供してくださる家に、多数で宿泊するために必要なふとんを常備することになりました。

リトリート2日目の午後に、参加者のうちの4名が、東京での天外内トレーニングのために上京しました。東京のトレーニングセミナーには、学生宣教団体のスタッフが多数参加しました。多くの青年たちの前でセミナーを導い人たちの中に、40代と50代の男性が4名いました。そのことが、セミナー参加者に安心感を与えたようでした。彼らに夫婦単位で参加するリトリートをするように勧めたところ、近々企画することになりました。関東でも、トレーナーチームの交わりを、定期的に持つことができるようにと祈っています。

3 定期的なトレーニング

同じ町で定期的にトレーニングセミナーを開くメリットが、少なくとも5つあると思われます。

  1. 1)回を重ねる毎に、学びを実践に移す人の割合が増えてくる。
  2. 2)前に参加した人が、従順の結果を証しすることができる。
  3. 3)インターンとして奉仕する機会を得た人が、トレーナーとして育っていく。
  4. 4)トレーナーのネットワークが、ビジョン、トレーニング、交わり、育成の経験等の霊的資源を地域に提供するようになる。
  5. 5)地域の特色を生かしたトレーニングが開発されていく(文脈化)。

今回東京でお会いした人たちの中には、宣教団体のリーダーたちが数名おられたため、団体関係者に対して天外内トレーニングをする機会や、他都市で定期的にトレーニングセミナーを開く機会が広がりそうです。

4 預言といやし

オーストラリアのフィルさんに導いてもらって、6月に「いやしセミナー」をすることになっていますが、日程や会場が確定しました。6月11日(金)から13日(日)まで、大阪天満の「ドーンセンター」[ http://www.dawncenter.or.jp/top/index.jsp ]で開きます。

13日(日)の夜に開かれる最後のセッションは、それまでのセッションでトレーニングを受けた人が、実際に病気の人たちのために祈ることになっています。いやしを受けたい人をどのように集めるかということについて、議論しました。結論としては、トレーニング参加者が、それぞれ数名の未信者を最終セッションに招くことになりました。

6月来日のフィルさんと、8月来日のウォルフガングさん、さらには、まだ確定していませんが、10月来日予定のマルコさんのプロフィールを送ってもらい、彼らが来日することで何を成し遂げたいのかを改めてお尋ねすることになりました。

5 インフラの整備

3月に大阪で開かれた天外内トレーニングの様子を録画しました。YouTubeなどにアップするための編集作業が始まりました。また、煩雑になっている事務通信作業を担当するボランティアが1人立てられました。

弟子育成の連鎖が起こっているネットワークの証しを集積して公開する計画については、簡単に読めるものとして公開する方向と、しっかり分析して資料として蓄積する方向の、2方向で準備することになりました。前者については、ある方にお願いして、次回の祈り会までにサンプルを作っていただくことになりました。後者については、分析のフォーマットを、あるネットワークから取り寄せることになりました。

また、「CRASH Japan」[ http://www.crashjapan.com/ ]のジョナサン・ウィルソンさんをお招きして、災害救助について教えていただく件については、ウィルソンさんがハイチの援助から手を放すことができないため、今に至るまで日程を決めることができていません。今秋以降にウィルソンさんの方からご連絡くださることになりました。

福田充男
2010年4月1日