■ハラハラドキドキ
ペテロが水の上を歩いたとき、彼の前には2種類のものが見えていた。「来なさい」と招いてくださるイエス様と、夜の海を吹きすさぶ風である。
同じ船に同乗していた12人のうち、ペテロだけが水の上を歩くことができた。彼だけが信仰の1歩を踏み出したからだ。
ペテロが水の上に片足を載せて体重をかけたときに、地面のように固くなった水面を足の裏で感じることができた。この経験が、次の信仰の冒険の扉を開くための「原体験」となった。
このハラハラドキドキの経験の素晴らしさを、新しい弟子たちがいかに早く味わうかが、その人の成長の速度に大きな影響を与える。
先日お会いした伝道者は、学生の時に、先輩を通してイエス様を受け入れた。信じた翌日から、その先輩は彼を伴って、他の学生に福音を伝えたそうだ。
彼は目をキラキラ輝かせて、「この素晴らしさを知ったら、もうやめられませんよね。」と言った。彼も水の上を歩く経験をしたんだな、と思った。
途中で疑ったり、挫折したりすることもある。船から出る前に、「このまま沈んだらカッコ悪いし~」と思うかもしれない。
でも、もしイエス様が招いてくださったのなら、途中でこわくなっても、イエス様が助けてくださる。だから、イエス様だけ見て進みなさい。
マタイの福音書14章29-31節
イエスは「来なさい。」と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。ところが、風を見て、こわくなり、沈みかけたので叫び出し、「主よ。助けてください。」と言った。そこで、イエスはすぐに手を伸ばして、彼をつかんで言われた。「信仰の薄い人だな。なぜ疑うのか。」