■質問の達人

 

イエス様は名前をたくさんお持ちで、それぞれ重要だが、「生ける神の子キリスト」というタイトルは特別だ。イエス様を「生ける神の子キリスト」とする信仰告白の上に、主はご自身の教会を建てるとおっしゃった。いわば、教会の礎石となる言葉だ。

しかし、この大切なメッセージを、イエス様はご自分でおっしゃらなかった。それを言ったのは弟子である。イエス様はまず、「人々は人の子をだれだと言っていますか。」(マタイ16章13節)と問われた。

弟子たちが様々な答えをした後、今度は「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」と聞かれた。シモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」

するとイエスは、彼に答えて言われた。「バルヨナ・シモン。あなたは幸いです。このことをあなたに明らかに示したのは人間ではなく、天にいますわたしの父です。」イエス様は質問することを通して、ペテロが直接、父から教えていただくのを助けられた。

講義の内容を一夜漬けで暗記しても、長く記憶に留めることはできない。しかし、ペテロはこの日の会話を一生忘れることができなかったはずだ。そして、「父から教えていただいた」という幸いな経験が、彼のその後の歩みを支えたに違いない。

人が自分で気づいていくプロセスを助けるためには、知っていることを披瀝したいという誘惑と戦う必要がある。さもないと、父の教育を妨げてしまうことになりかねない。

 

第1コリント8章1節
知識は人を高ぶらせ、愛は人の徳を建てます。