■金銭管理(その3)お金の使い道
定期的に取り置いた金銭をどのように使えばよいだろう。聖書は、民主的な話しあいによって使い道を決めろとも、預言的に導かれるままに使うようにとも言っていない。手がかりは、「使徒たちの足もとに置いた。」(使徒4章35節)という言葉だ。
使徒とは、「遣わされた者」という意味で、福音が地に満ちるために、派遣されて弟子育成ムーブメントの土台を築く者たちだ。献金は、1)働き人の派遣と、2)土台の設置と、3)弟子育成ムーブメントの連鎖という三つの目的に添って使われた。
続いて、「その金は必要に従っておのおのに分け与えられた」(35節)とある。ということは、フルタイムの働き人も含めて、定期的な給料や謝礼が支払われてはいなかったということだ。金銭は、信仰共同体内の寄る辺無き人たちにも分配された。
エペソ人への手紙4章11節の使徒、預言者、伝道者、牧師、教師は、各個教会の指導者ではなく、諸教会を巡回したり宣教地に派遣された指導者だ。これらの使徒的チームと、祈りに専念するやもめ(第1テモテ5章5節)だけがフルタイムだった。
各個教会のリーダーたちは、具体的な奉仕に対して謝礼を受けた。よく教える長老は、2倍の報酬を受けたがフルタイムではなかった(第1テモテ5章17節)。使徒的チームととりなし手は、定期的な給与ではなかったが、生活が献金で支えられた。
インドに8万5千人規模のハウスチャーチネットワークがあるが、フルタイムの働き人は百人以下だ。ボランティアが活発に用いられている証拠である。日本の場合は、現状では、十教会前後に1人の割合で専任者がいるのが適当かなと思っている。
複数の専任者と地方教会のリーダーたちが協力して、上述の3つの使徒的目的に添って金銭を管理する。未信者の貧しい人たちに対しては、ニーズに振り回されないように注意し、福音宣教と一体化した働きとして戦略的に進められる必要がある。
献金は、第1に、信仰共同体内の寄る辺無き人たちに、第2に、使徒的チームの支援に、第3に、開拓者派遣と土台設置と育成連鎖のための具体的プロジェクトのために使われるべきだ。自立開発援助や緊急援助については、適宜対応すればよい。
第1ペテロ4章10節
それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。