■つながる力

●教師同士のつながる力が子どもたちを助ける
 
学校教育というと、教師が子どもたちとどのような関係を結ぶかということばかりが注目されがちですが、2003年から2004年にかけて、米国の199の公立小学校の1,013人の教師と4、5年生の生徒2万4,187人を対象にした調査では、教師同士の関係構築が子どもたちの成績に影響を及ぼすことがわかりました(参照:https://sites.pitt.edu/~fritspil/Pil%20and%20Rothernberg.pdf)。
 
当然のことですが、教師の指導能力が高いほど、生徒のテストの結果が上がるという結果も出ました。しかし、それだけではなく、教師同士の関係が良好だったり、一般教師が校長や教頭などの管理職と親密な人間関係を築いていることが、生徒の成績を押し上げるという仮定が証明されました。
 
教師がチームを組むことで、比較的指導能力が低い教師は比較的指導能力の高い教師から学ぶことができます。教師間の良好な関係が子どもの成績を上げるための助けとなるのです。ところが、比較的指導能力が高い教師にとっても、同僚同士が緊密に結びつくことが、その教師と子どもとのコミュニケーションの質を高めることに寄与することがわかったのです。
 
これは、何を意味するのでしょうか。いくつかのことが考えられます。