■リッジウェイ著「失われた人々の間で生活しながら弟子を育てる」への応答
現在のように人の行き来が自由ではなかった時代に、ユダヤ人を毛嫌いしていた異邦人やサマリヤ人に対して、ユダヤ人であられたイエスさまが伝道するなどということは、当時の常識では考えられないことだった。事実、リッジウェイが指摘するように弟子たちはその働きに直接的にはかかわらなかったと思われる。
イエスさまは弟子たちに、「イスラエルの家の滅びた羊のところに行きなさい。」(マタイ10章6節)と命じられた。弟子たちが本格的に異邦人やサマリア人への伝道に踏み切っていくほどパラダイムが変わるためには、第2世代のパウロやバルナバの登場を待たなければならなかった。 そんな時代に、イエスさまはデカポリスとサマリアで大きな成果を上げられた。ゲラサとスカルでのエピソードを通して、非ユダヤ文化圏で「アウトサイダー(外部からメッセージを伝える人たち)」がどのようにムーブメントの起点になるのかを学ぶことができる。