■地域開発試論(9) – 賀川豊彦の神学

日本人でノーベル文学賞候補に2回なった人は誰でしょう。彼の著書は日本で400万部売れただけでなく、英語・ドイツ語・フランス語・スウェーデン語他に翻訳され、世界中で読まれました。それだけではなく、この人は、ノーベル平和賞候補にも3回なりました。20世紀の3大聖人として、シュバイツァー、ガンジーと並び称せられました。それが、賀川豊彦です。

前回の記事で、補完性原理に代わる新しい地域開発の根拠が求められているという論を展開しました。今回は、賀川豊彦の神学と社会運動から学ぶことで、これからの地域開発に資する原則を引き出す可能性を探ります。

以下、天外内の順で補完性原理の特徴と限界を復習し、賀川神学と照合します。