■ビーツが教えてくれたこと
紹介文
RAC通信3月21日発信の第116号ではロシア料理のボルシチが登場しました。ボルシチにどうしても欠かせない材料がビーツ(甜菜)です。どうしてもボルシチが食べたいわたしはその執念で自分のアパートのベランダでビーツ作りに挑戦しました。
ベランダ菜園の本の通りに一生懸命作り、はやる気持ちを抑え、やっとのことで収穫したビーツは、立派な青々とした葉がついていましたが、肝心の根は親指ほどの大きさしかないものでした(本当は、小さくてもグレープフルーツぐらいの大きさはないといけない)。
農業の専門家が教えてくれた秘訣から、御国の真理につながる素晴らしい教訓をいただきました。
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日本にあるロシア料理店に行くと、ボルシチは大体800円から1000円はします。ボルシチは、日本では高いお金を出さないと食べられない高級料理ですが、ロシア語圏やウクライナでは、家庭料理トップ5に入る料理なのです。
味噌汁のように毎日食べるものではありませんが、それでも、頻繁に食卓に上る、日本で言ったら豚汁のような家庭料理です。
それがなぜそんな高い値段になるのか。それは、おそらくビーツのせいです。ビーツは、大根を赤く甘くしたような野菜で、世界には、砂糖の原料として用いられている地域もあります。ただ茹でただけで、何もつけなくても、デザートのような甘さがあるとてもおいしい野菜です。
ボルシチからビーツをとったら、ただのスープ。ビーツはボルシチには欠かせない材料なのです。でも、日本でビーツを買おうと思ったら、まず都会の高級スーパーに行かないとありません。またあったとしても、オレンジぐらいの大きさで500円とか、考えられない値段で売られているのです。
そこまでお金を出してボルシチを作るほど贅沢な暮らしをしていない私は、ロシア関係の友人に聞き回るとか、ロシア大使館近辺に探しに行く計画を立てるとか、色々試したのですが、なかなか見つからず、結局自分で育てることにしました。