■天外内における感性アプローチ(4) – 実践の勧め
このシリーズでは、感性を心理学や認知学をもとにして、「感覚を通して感知した情報を、直感的に統合し、瞬時に評価する判断能力」として理解し、その天外内におけるアプローチの可能性を順に見てきました。限られた範囲の中で、いくつかの事柄に絞って取り扱ってまいりました。
私たちが主の弟子として、全人格的に成長し、(天)「心尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ」(マタイ22:37)と、(内)「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」(マタイ22:39)という主イエスが大切だと教えられた戒めに従い、(外)「あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」(マタイ28:18)という使命に生きるためには、知性だけではなく、感性が用いられなければならないことが明らかです。
その上、私たちは多かれ少なかれ、西洋の影響を色濃く内包しているキリスト信仰を向け入れたため、知性を重視して感性を無視する、または、場合によっては危険視する傾向を持っています。この傾向ゆえに、私たち日本人が培っていかなければならない「文化に根付いた豊かな信仰の表現」が十分に発達せず、「良い知らせ(福音)」が文字通り「良い」と認識されて伝達される福音化の阻害が引き起こされてしまっているとさえ考えられるのです。
このような状況の中にある私たちは、感性アプローチをどのように用いていけばよいでしょうか。具体的な実践のお勧めをする前に、いくつかのポイントを確認させていただきます。