■Cool Japan!(3) そうだ京都、行こう。

紹介文
「自分の強みを自覚するのは難しい」とある人が言いました。私たち日本人は、弱点や欠点と思われるものには敏感ですが、自分の長所や強みには、あまり注意を払わないのではないでしょうか。

ある調査によれば、世界で最も人気がある観光地は日本だそうです。しかし、世界の人々が感じている日本の魅力や良さを、日本人である私たち自身が一番自覚していないのかもしれません。また、西洋的な世界観を内包するキリスト教に慣れ親しんでいる私たちは、西洋文化と比較して、日本の社会や文化に対して否定的に評価する傾向があるようです。

このシリーズでは、「Cool Japan!(クールジャパン!)」と題して日本の文化や社会の成り立ちを、聖書に示されている価値観を用いて、観察し直すことを試みます。


今回の記事の題名である「そうだ京都、行こう。」は、平安建都1200年記念に合わせて1993年にJR東海が始めた京都への観光客誘致キャンペーンのコピーです。首都圏、中京圏の観光客対象のキャンペーンなので、それ以外の地域の方々にはあまり馴染みがないかもしれません。

実際にこのキャンペーンの影響がどれ程あったのかは分かりませんが、20年以上経った今日でもキャンペーンが続けられています。また、今年1月に同観光キャンペーンのSNS公式アカウントが設けられましたが、開始前の調査によると、「#そうだ京都行こう」というタグが付いた投稿がすでに14万以上あったとのことです。

京都を訪れた観光客は、京都府の調査によると、1993年には3800万人でしたが、2016年には5500万人を超えました。これは延べ人数であり、この中には外国人も660万人含まれてはいます。とは言え、数字の上では、1年間に日本の人口の半分近くの人々が、京都観光をしたという計算になります。これほどまでに観光客を京都に惹きつけるものは、いったい何なのでしょうか。