■Cool Japan!(4) アニメ
紹介文
「自分の強みを自覚するのは難しい」とある人が言いました。私たち日本人は、弱点や欠点と思われるものには敏感ですが、自分の長所や強みには、あまり注意を払わないのではないでしょうか。
ある調査によれば、世界で最も人気のある観光地は日本だそうです。しかし、世界の人々が感じている日本の魅力や良さを、日本人である私たち自身が一番自覚していないのかもしれません。また、西洋的な世界観を内包するキリスト教に慣れ親しんでいる私たちは、西洋文化と比較して、日本の社会や文化を否定的に評価する傾向があるようです。
このシリーズでは、「Cool Japan!(クールジャパン!)」と題して日本の文化や社会の成り立ちを、聖書に示されている価値観を用いて、観察し直すことを試みます。
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海外から日本を訪れる外国人観光客の数は、2017年に過去最高に達し、2,869万人を超えました。さらに、今年、2018年は、1月から3月までの月別統計で毎月過去最高人数を記録し、3月期では過去最高だった昨年よりも18.2%増加して260万人を超えました。このトレンドが続くなら、今年も7年連続で記録を更新し、年間3,000万人を上回ることが予想されます。
観光庁は、外国人観光客の訪日目的を調査しています。それによると、最も多い75.6%の人々が「日本食を食べる」ために日本に来ています。二番目に多いのが、57.5%の「ショッピング」です。一時期の「爆買い」が思い起こされます。
そして、トップ10には上がりませんでしたが、興味深い目的があります。「歌舞伎や舞台などの演芸鑑賞」とほぼ同じ割合の約6%の観光客が、この目的をあげています。それは、「アニメなどのゆかりの地を訪問すること」です。あまり多いようにも思えませんが、実数で表わすと、昨年170万人以上の外国人観光客が、アニメの舞台となった土地やシーンに登場する場所を訪れたことになります。
2016年に劇場公開され、大ヒットしたアニメ「君の名は」は、その美しい背景が話題の一つとなりました。既に40カ国以上で公開され、今後配給される国を合わせると125カ国で公開されることになるようです。話題となっているシーンの背景の多くは、日本に実存する景色で、実際にその場所を訪れるとアニメの中に入ったような気持ちになるようです。このアニメ映画も、外国人観光客の訪日に一役買っているかもしれません。