■目に目薬、耳に割礼
紹介文
善悪二元論は、「善であられる神が一元的に世界を統治される」という聖書の世界観とは異なります。敵は恐怖やトラウマを用いて、二元論ゲームに引き込むことで神の民を消耗させようとします。力の限り、見張って心を守り、キリストを死者からよみがえらされた神に注意を向け続けましょう。
神に喜んでいただけるか、人の徳を高めるか、仲間を一つに結びつけるか、というような天外内の質問をして神と会話することで何をイメージするかを選択することが、目薬をいただくことです。また、暗やみで語りかけてくださる神の声に耳を傾けることで正しいイメージを理解することが、耳に割礼を受けることです。
「見ること」と「聞くこと」の両方が組み合わされることで、メッセージの受け手は、神が伝えようとなさっていることをイメージすることができるようになります。自分の生活の文脈に引きつけてイメージできないと、理解も実行も習慣化もできません。
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・暗所恐怖症
10年ほど前、スクーバダイビングの初心者コースを受講した友人の話です。海岸で基礎を学んだあとに、すぐに浅瀬に入って耳抜きなどの基本練習をしました。すると、突然パニックになりました。体が硬直して、呼吸困難になったのです。彼は自分でも忘れていたのですが、幼い頃に溺れかけたことがあり、それがトラウマになっていたようです。幼少時の恐怖体験が、発作を誘発したのだと思われます。
私の場合は水恐怖症ではないのですが、軽度の暗所恐怖症の症状がありました。6、7歳の頃、保護者の目を盗んでは、お化けの話をし、子どもを怖がらせて楽しむという悪趣味の大人が近くにいました。そういう与太話を真に受けた幼い私は、自分を監視したり襲いかかろうとしたりする有象無象を空想しては恐ろしい思いをしていました。今なら虐待で問題になる種類のことだと思います。
暗所で恐怖に囚われた私は、想像力を逞しくして、子どもらしい精一杯の対応策を取りました。たとえば、「少年忍者 風のフジ丸」よろしく、右手の人差し指を高く上げ、「忍法木の葉がくれ」を会得しているという想定で、暗い道を走り抜けるなどの工夫をして凌いでいました。