■Cool Japan!(6)「和食」のススメ

紹介文
「自分の強みを自覚するのは難しい」とある人が言いました。私たち日本人は、弱点や欠点と思われるものには敏感ですが、自分の長所や強みには、あまり注意を払わないのではないでしょうか。

ある調査によれば、世界で最も人気のある観光地は日本だそうです。しかし、世界の人々が感じている日本の魅力や良さを、日本人である私たち自身が一番自覚していないのかもしれません。また、西洋的な世界観を内包するキリスト教に慣れ親しんでいる私たちは、西洋文化と比較して、日本の社会や文化に対して否定的に評価する傾向があるようです。

このシリーズでは、「Cool Japan!(クールジャパン!)」と題して日本の文化や社会の成り立ちを、聖書に示されている価値観を用いて、観察し直すことを試みます。


近年の日本食の人気は、日本を訪れる外国人旅行者の間だけではなく「世界的な人気」であると言っても、言い過ぎではないように思います。1900年に創刊され、今日90カ国以上で発行されている有名なレストランガイドである「ミシュランガイド」は、日本料理を西洋料理以外の料理として初めてカテゴリーの中に取り入れるようになりました。これは2007年のことです。

かつて海外の日本食レストランといえば、日本人の観光客や駐在員を対象に限られた地域にしか存在していませんでした。ところが、近年では日本人観光客や駐在員を見かけないような海外の町でも、日本食レストランを見つけることができます。そのようなレストランの料理人やオーナーは、日本人ではなく、そこで寿司や天ぷらなどに舌鼓を打つお客さんも、日本人ではありません。おかしな言い方にはなりますが、「外国人」が「外国」で「外国人」の料理した「日本食」を楽しんでいる、そんな様子が世界のそこかしこで起こっているのです。(この場合、日本人にとっての外国、外国人ですから、現地の人からすれば、おかしな表現でしょう。)