■貧しい者たちへの福音

紹介文
マタイの福音書第20章に出てくるぶどう園のオーナーは、気前がよく、1時間しか働かなかった労務者に、労働しなかった時間分の報酬まで、いわば「ただ」で与えました。しかし、その行動はより長く働いた人たちをつまずかせました。オーナーは説明しました。「この最後の人にも、あなたと同じだけ上げたいのです」と。

イエスさまが宣べ伝えられたのは、「私はこれだけ頑張りました」と主張することができる富んだ人たちへの福音ではなく、「神のみに信頼する心の貧しい人たち」への福音です。人は皆、自分の行なった良いわざではなく、神の主権的恩寵によって救われるのですが、初めの愛を忘れると、先の者があとになることもあります。


・労務者リクルートのたとえ話

マタイの福音書20章1-16節に、ぶどう園のオーナーが自分の農園で働く労務者を雇うというたとえ話があります。早朝、午前9時、正午、3時、5時の5回、市場にリクルートに出かけ、労務者と1日1デナリの契約をしました。支払いをするときに、最後に来た者から順に賃金を払ったのですが、そこで一悶着ありました。

午後5時に来た人が、1時間しか働かなかったにもかかわらず、1日分の給料を受け取ったことが発端となりました。より長く働いた人たちは、自分たちはきっと、もっと多くもらえると思ったのですが、支払われた額がより少なく働いた人の額と同じだったので、文句を言いました。ところがオーナーは反論しました。下にオーナーの言葉を引用いたします。