■名誉は世界の文化

アメリカ大統領ビル・クリントンのスキャンダルに巻き込まれたモニカ・ルインスキーは去年、10年ぶりにインタビューを受けました。あの事件が起こった頃まで、多くの人々は日刊新聞や夜のニュース番組を見ることによって世界の出来事を知りましたが、ちょうどその頃、インターネット時代の幕が開き、ニュースが1日24時間放映される時代が始まりました。

したがって、それまでは誰にも知られていなかったルインスキー氏が、突然世界的に有名な人となって、世界中に嘲られるようになりました。皆が彼女の秘密を知っていました。不正を行なったのはどちらかというとクリントンなのに、世界中の人たちから「だらしない」「ふしだら」などと言われて非難されました。

今でも、ルインスキーが新しい人と出会った時、彼女についての報道を知らない人はいません。出会う人はもうすでに彼女に対してそういう印象を持っていて、彼女のことを色眼鏡をかけて判断しました。どこに行っても、1998年の出来事から逃げることはできません。

インタビューの中で、彼女はその経験について話しました。感情について語っていた時、もっとも多く使われた言葉は「恥」でした。「恥は油汚れのようなもので、一回付けられたら拭い去ることはできない。」10年間、インタビューを受けなかった理由は、そういう恥を感じていて脚光を浴びたくなかったからでした。