■危機管理対策について
紹介文
今年7月のバングラデシュでのテロ事件を受けて、テレビや雑誌では、テロからどうやって自分の身を守るかという話題が増えてきました。
私も危険と隣り合わせの国々で活動していましたから、危機管理は生活の一部でした。そのためにセミナーにもいくつか参加しました。中でも、あるセミナーで学んだことが私自身の危機管理対策の原則に大きな影響を与えました。今号ではそのことをお分かちします。
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ある時、人質事件対策の危機管理セミナーに参加しました。
講師は以前アメリカ合衆国のシークレットサービスで、大統領の元護衛官を務めた人でした。一通りどのようなことに気をつけたらいいか教えてもらった後で、シミュレーションがありました。それは、キリスト教の信者たちが集まっていると、武装兵士たちが乱入してきて人質に取られるという設定でした。
前もって、気分が悪くなったら手を上げるようにと注意を受けましたが、その時は誰もが、自分はそんなことはないだろうと思っていました。
けれどもシミュレーションが始まると、それまで自分では全く予想していなかった感情を体験しました。武装兵士の役割の人たちがドカドカと部屋に入って来た時は、まだ皆ヘラヘラとしていました。