■教会開拓の失敗学(2) バトンを渡さずに投げつけた

紹介文
失敗した教会開拓プロジェクトから多くのことを学ぶことができます。今回は、次の世代に教会運営のバトンを渡すときに起こる問題について考えてまいりましょう。

奉仕を次の人に任せるためには、ビションを丁寧に分かちあうこと、何が期待されているかを最初から伝えること、また、十分に時間をかけてそばにいることが必要です。その3要素がはっきりわかる実例をご紹介します。


前回の記事(【RAC通信プラス第128号】 – 2017.07.18配信)で、近所で展開された教会開拓の話を紹介しました。地域文脈を軽視し、都会の教会の形をそのまま低所得者層の分布が多い郊外に当てはめようとして、地元の人々から信頼を得ることができなかったという失敗談でした。今回も別の失敗談をご紹介しますが、それは、私自身がよく知っている話です。なぜなら、失敗したその開拓者は、私自身だからです。

5年間、京都の南部で教会を開拓しました。色々な実験をした後、何人かの求道者と新しいクリスチャンたちが一緒に毎週自分の家に集まるようになりました。人数が増えて、家で集会をするのが難しくなってきたので、新しい教会形成の仕方を探りました。結局、家族が揃って一緒に礼拝できる教会の姿を追求することにしました。

地域で人脈を作っていったので、公共の集会場を使う事ができました。近くの保育園が喜んで宣伝してくれました。初めの日曜日に30人ぐらいが集まって、ゲームをしたり工作をしたりした後、聖書の話をしました。本当に理想的なスタートを切りました。