■福音は伝わっていますか(4) 受け手志向のコミュニケーション
・話を聞かなかった宣教師たち
友人から聞いた話です。フィリピンのある島では、トイレがなくて衛生面に問題があるとのこと。そのニュースを米国の宣教師が耳にしたとき、自分たちが行って公衆トイレを作ってあげようということになりました。それで、白人のボランティアたちが高温多湿の南国の気候に悩まされながら公衆トイレを作っていたのですが、ある日、村の子どもたちが作業場にやってきました。
子どもたちは村長の伝言を伝えました。今晩村に食事に来てほしいという申し出でした。宣教師たちは喜んで出かけ、村を挙げての大歓迎会に参加しました。翌朝のことです。感動的なことが起こりました。村人全員が作業場にやってきて、イエスさまを知りたいと言ったのです。そしてその日、村中の人がイエスさまを信じました。
宣教師たちは、「これからは地域開発で福音を伝えるに限る」と言って喜んでいました。しかし、村人が宣教師たちを招いたのは、食べ物に毒を入れて彼らを殺すためでした。異教の宣伝拠点を潰そうとしたのです。また、翌朝、村人がイエスさまを信じたのは、彼らが一人も死ななかったからです。