■ヨナ書を読み直してみた

頑迷で扱いにくい預言者ヨナを、神はどうして途中で投げ出さないで、最後まで育てようとされたのか、という問いを立てて、ヨナ書を読み直してみました。

・ニネベに御ことばを伝える

ヨナは、ニネベに行ってことばを伝えるようにと主から命じられたのに、主の御顔を避けてタルシシュに逃れようとして船に乗りました。その結果、船は暴風に襲われ、自らは海に投げ込まれ、大きな魚に飲み込まれて三日三晩、「魚の腹の中(=よみ)」で過ごすという憂き目を見ました。

よみの中からヨナは主に叫びました。ヨナが誓いを果たすと決意表明をしたときに、主は魚に命じ、ヨナを陸地に吐き出させて、同じことばを告げられました。それは、「立って、あの大きな町ニネベに行き、わたしがあなたに告げることばを伝えよ」という命令でした。

ヨナの告知が用いられて、ニネベの人たちは悔い改めました。それで、神は彼らに下すと言っておられたわざわいを思い直されました。ヨナはそのことに対して神に怒りを発します。ヨナの訴えを全文引用してみましょう。

「ああ、主よ。私がまだ国にいたときに、このことを申し上げたではありませんか。それで、私は初めタルシシュへのがれようとしたのです。私は、あなたが情け深くあわれみ深い神であり、怒るのにおそく、恵み豊かであり、わざわいを思い直されることを知っていたからです。主よ。今、どうぞ、私のいのちを取ってください。私は生きているより死んだほうがましですから。」